グリップの基礎知識
グリップサイズの決め方
グリップサイズのマッチングは非常に重要です。グリップサイズが適正であるならばプレーヤーのパフォーマンスを最大限に発揮することが可能になります。逆に合わないとプレーがままならない場面や、テクニックの上達が阻まれる恐れがあります。
適切なグリップサイズは、ラケットを実際に握ってみて親指の付け根と薬指・中指との間に3㎜~8㎜の間隔が良いでしょう。
男性ならばグリップサイズ「2」(4 2/8)または「3」(4 3/8)
女性ならグリップサイズ「1」(4 1/8)またはグリップサイズ「2」(4 2/8)がおすすめです。
グリップは太めを選ぶとコントロールが安定します。逆に細めを選ぶとボールの威力を出しやすくなります。またプレイスタイルにも影響があり、太めのグリップを選ぶと手首を安定して使えるためにストロークが安定します。そのためストローク中心の方にマッチしやすいです。細めのグリップは手首を使いやすいため、とっさにスピンをかけたり、手首で方向をかえたりするネットプレーヤーにマッチしやすいです。
グリップテープについて
グリップテープの分け方は大きく2つあります。まずオーバーグリップとは最初にラケットに巻いてあるグリップテープ(リプレイスメントグリップと呼ぶ)の上に巻くものを指します。次にラケット購入時に最初から巻いてあるものをリプレイスメントグリップといい、通常こちらのものはチューニングを必要としなければ巻きっぱなしのグリップテープになります。
下記にそれぞれの特徴を記載していきます。
オーバーグリップ
オーバーグリップには主に2種類ありウェットグリップとドライグリップがあります。 ウェットグリップは手に吸い付くような感触があり、手のひらとラケットがしっかり密着している感覚が得やすく一般的にこのウェットグリップを好まれる方が多いようです。 ただし密着している分、オフショットで打った時などは手のひらとグリップがずれて、手に豆ができる場合があります。また汗っかきの方はグリップテープが湿りすぎてしまい滑ってしまうといったことが起きる場合があります。
ドライグリップは汗っかきの方に最適です。グリップテープ自体が汗を吸うので汗をかいても滑りにくいといった特性があります。しかし乾燥肌の方や乾燥している日などは滑って握りにくく感じる時があります。
グリップテープメーカーによりグリップテープの滑り具合や汗の吸収具合に違いがあるので、いろいろなメーカーのグリップを試して、自分好みのグリップテープを見つけてみてください。またグリップテープで裏面にスポンジなどで凹凸を付けた凸凹なグリップテープがあります。これは初心者から中級者の方で手に伝わる衝撃を和らげたり、手からラケットがすっぽ抜けないようにするに役立ちます。
グリップテープはプロの選手ならば試合ごとに巻きなおしますが、一般の方は少なくとも月に1度は巻きなおすのが良いでしょう。長く使うと汚れてグリップが滑るだけでなく、雑菌も増え衛生的ではありません。できれば毎週交換、そうでなくても月に1度は巻きなおすように習慣づけるといいでしょう。
グリップテープは同じ商品でも色により性能が若干違います。これは色の顔料のせいで、白が一番グリップ力があるとされています。プロは見た目の清潔感だけでなくグリップ力が一番いい白を好むようです。
リプレイスメントグリップ
通称「元グリ」といわれる購入時にラケットに巻いてあるグリップテープのことを言います。 大きく分けて2種類あり、革とウレタンでできたものの2種類です。
ウレタンのものはオーバーグリップを巻かずに使用していると半年ほどでへたってきてしまいます。また革よりクッション性があり打球時の衝撃を和らげてくれます。近年ではウレタン製のものがラケットの標準となっています。しかしながら上級者は革製のグリップを好みます。ベースラインから相手コートのベースラインへめがけ打球する場合ラケットの角度が1度狂うと40cmずれます。プロや上級者はウレタンによる手の中のずれを感じるためウレタンではなく硬い素材の皮を選び、手の中の遊びがないようにすることでコントロールを高めようとしています。しかし遊びがない分、手に豆ができやすいといったデメリットや直接的に手に振動が伝わるので上級者やプロ以外にはお勧めしません。
またリプレイスメントグリップを少し厚めにしたり、薄めにしたりしてラケットの操作性を高めたり、スイングを鋭くしたりすることができます。